アポロ11号が月に着陸、アームストロング船長が月面を歩いたのは1969年のことです。
しかし世界情勢はベトナム戦争が東西冷戦を招いて第三次世界大戦開戦の危機に陥るなど先行き不透明な起爆剤を抱えていました。
そんな時代、流行るのは唯物的ではなく精神世界の神秘性です。
1970年代はニュー・エイジ(日本では団塊の世代)の台頭と同時に反戦主義が蔓延、精神世界を視覚化したサイケデリック・ブームが巻き起こります。
このニュー・エイジが求めたのが、自己探求ツールとしての占星術です。
東西冷戦がベルリンの壁崩壊と共に終焉を迎えると世界は物質文明となり、神秘性を重んじる占星術は一部の専門的に研究する占星術師以外に広がりを見せる要因は限りなく薄くなりましたが、そんな状況の中でも占星術をライト感覚で扱う星占いは一般市民に広く受け入れられました。
この状況はけっして占星術だけでなく、中国に端を発する八卦や風水、手相や面相、果ては水晶占いや動物を擬人化した新興的な占い、動物占いまでも同じ範疇にあると言えます。
政治的な決定や医学に占星術が使われることはなくなりましたが、運勢が科学で解明できない限り、占星術は一般市民の間で支持されていくことは間違いありません。