12世紀ルネッサンスで再発見された占星術はヨーロッパの天文学と融合、医学や政治の決定事項など重要な地位まで高まりましたが、天文学がさらに進むとそれまで信じられていた天動説が地動説に覆され、しかも太陽という占星術において絶対的な存在までが宇宙の中における単なる恒星のひとつに過ぎないことが分かると、占星術の神秘的部分が急速に失われ、占星術は科学から切り離されて萎んでいきます。
しかし科学がどれほど進化しても人間の内面にある神秘性まで乖離させることはできません。
むしろ、現代でも科学では解明できないことが多すぎるから神秘的要素がいろいろと登場するといえます。
なにしろ、科学で解明できないことは非科学的であってもその存在を否定できる理論が成り立たないのですから。
占星術も太陽系の恒星や惑星の公転周期やその特性が判明しつつあっても、惑星と太陽の動きによって人の運命が決まる、と言い切られてしまえば否定する材料は科学にありません。
占星術が天文学と乖離しても現代まで生き長らえているのは非科学的でありながらも、その根底にある神秘性を否定できないことにあります。
この占星術の神秘性の後押しをしたのが19世紀に登場した神智学協会でしょう。