12世紀に入ってルネッサンス活動から再び脚光を浴びた占星術は、この時代においてもまたキリスト教から否定されましたが、時代はすでにキリスト教がヨーロッパを支配下に。
少なくともヨーロッパにおいては異端宗教がキリスト教を脅かすことがないため、2世紀に占星術を排除したような表だった活動は行われませんでした。
キリスト教から見れば、キリスト教の脅威とならない限り占星術は害のない存在であり、当時の占星術は天文観察という側面を持つアカデミックな要素もあったことからキリスト教徒の中には占星術の「一部」は認めるという人も表れてきます。
たとえばキリスト教の神学者を指すスコラ学の第一人者であったトマス・アクィナスは星々の動きが人間の運命を決定するという「判断的占星術」は否定しているものの、天の星々が自然に影響を与えるという「自然的占星術」は肯定の対象としています。
キリスト教の叡智であるスコラ学の第一人者が占星術の天文観察という側面を学問として認めたことで、占星術は中世ヨーロッパで復興、天文学や哲学などの学者が関連する研究を始め、隆盛を極めます。
占星術史の中で、もっとも輝いていた時代といえるでしょう。