Categories: 夜空の占星術

キリスト教から異端扱いされた占星術

ローマ帝国で占星術は開花、支配下にあったアレクサンドリアでは地質学者であり、天文学者であったクラウディウス・プトレマイオスの「テトラビブロス」や詩人のマニリウスが書いた「アストロノミカ」など、占星術の基礎となる有名な書物も輩出されています。

民衆の支持まで得て、このまま安定して広まっていくかと思われた占星術、じつはヨーロッパで衰退の一途を辿ります。

その要因となったのがキリスト教。

ローマ帝国がキリスト教を公認宗教に定めるとキリスト教は権力を強化、聖アウグスティヌスによる占星術に対する攻撃が始まります。

なぜキリスト教は占星術を排除しようとしたのか?

本来、人間の運命は本人の意志によって切り開かれていくもの、というキリスト教の思想と、運命は星の動きによって定められているという占星術が相反するものであったことがその理由のひとつ。

これはもっとも建前的な部分で、次に人間の運命を決めるのは神であって星ではない、という宗教上の定義に反することも理由として挙げられます。

この時代、キリスト教は公認宗教となりましたが、まだ他の宗教も多く、キリスト教はそれらを異端と呼び、占星術と異端宗教を結びつける策略に出ます。

よって、占星術はキリスト教が広まると同時に、異端とセットになってヨーロッパから排除されるようになりました。

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