占星術における個々の行方は専門家とホロスコープに任せるとして、ここからは星座の由来となった神話の世界を紹介しましょう。
まずは第1宮、牡羊座の白羊宮からです。
出典はギリシャ神話ですね。
ギリシャの首都、アテネの北にある地方を治めていたアタマス王にはネフェレという妻、それからプリクソス王子とヘレ王女がいました。
しかしアタマス王、他の国の王女だったイーノと浮気、事もあろうか妻のネフェレを追い出してしまいます。
王女となったイーノ、始めこそプリクソス王子とヘレ王女を自分の子供のように育てると言っていながら邪魔者扱い、やがて先妻の子供として憎むと奸計を用いて生贄にしてしまいます。
生贄になる寸前、2人を救ったのが空から舞い降りてきた金の羊。
全能の神、ゼウスが遣わした金の羊は2人を乗せると追撃を振り切るために空を駆け抜けます。あまりに速かったためにヘレ王女は目眩を起こして海に落ちてしまいました。
プリクソス王子は悲しみを抑えてコルキスという土地に降り立ち、金の羊を再びゼウスに戻しました。
金の羊はその後、神への捧げ物とされ、天に昇って星座となった、というのが牡羊座の由来です。
使命を全うする行動力はさすがに牡羊座と言えますが、ヘレ王女を落としてしまうという、うっかりさんでもある、という自戒が神話から伝わってきますね。