辛未は、「辛(かのと)」という金性の陽干と真夏の十二支「未(ひつじ)」が合わさって成立している干支です。
干支番号は8番、午の次にある未という十二支ですが、午が火性であるのに対して未は土性です。
しかし季節は真夏、そのことから、未は真夏の焦土を意味します。
辛は金性の十干ですが、鋼鉄である庚とは違い、ソフトな金属を表します。
人工的な炎でどんな形にも変化することが出来る金属。
そして、宝石でもあります。
辛未の生まれの人のイメージは、まさに「焦土の上の宝石」。
水の気が足りなくて、少し傷みやすい質の金属です。
大切に扱ったほうがよいという金属。
庚と同様、気性の激しいところはありますが、これらは一つの方向から見た見解に過ぎません。
かえって「水が足りない」という要素が、辛未の人をカラッとした後腐れのない性質を助長するのです。
ですので、辛未の人がジメジメした感情を抱くというようなことはあまりありません。
また、もともと辛の人は育ちのよさが外面に出る傾向が強く、例え平均的な家庭に育ったとしても、若いうちから自然と気品の漂う特別な雰囲気をまとうようになっていきます。
また、ご先祖様に高貴な血筋の方がいた、というのも辛の人に多い特徴です。
自身へのプライドの高さが手伝って、オシャレな人、小奇麗にしている人が多いでしょう。
辛未の人の性格は、一言で表すなら「内面と外面のギャップが激しい人」。
しかしこれは、身内に優しく他人に・・・という次元の話ではありません。
辛未の人は根本的に情に厚く、思いやりの気持ちや同情心もとても強いのです。
しかし、これが他人から知られにくい・理解されにくいという性質を持っているのですね。
でもこれは決してマイナス要素ではなく、例えば「ホラあの人、美人でオシャレでなかなか近づきにくかったけれど、この前駅前でボランティアの活動に参加しているところを見かけたのよ」なんていうその美人さんが辛未であったりするでしょう。
このように、近寄りがたい高貴な雰囲気とは違って、内面には柔らかでホットな気持ちが充ちているというのが、辛未の人の最大の魅力なのです。
真夏の焦土で傷つくことを避けるための辛未の人の無意識思考ですが、この人を知れば知るほど引き込まれていくことは間違いありません。