最後に「邯鄲の枕(かんたんのまくら)」の話をしましょう。
紀元前400年頃、中国は趙の国、盧生(ろせい)という若者は自分の平坦な人生に嫌気が差して一旗上げようと趙の都、邯鄲(かんたん)に旅立ちます。
邯鄲まであと少しという場所で盧生は食事処で一休み、目の前にいた呂翁(ろおう)という老人に都へ行く理由を聞かれ、わずかな田畑を延々と耕し続ける人生がイヤになったので、もっと波瀾万丈の人生を送るために都へ行く、と応えます。
それを聞いた呂翁、では願いが叶えられる枕を進ぜよう、とひとつの枕を盧生に与えました。 続きを読む 瞬間形成の夢