では、風水に大切な地理五訣の続きを説明しましょう。
龍、穴、砂の次は水です。
水は穴の周囲の水の流れ、つまり河川だけでなく流れるものすべて、道路や人も含まれます。また雨が降った後の排水路もこれに含まれます。
水の流れは穴に住む人の貧富を生み出すとされており、吉であれば予定している以上の金銭を手にいれることができる反面、穴に背を向けて流れる背水の場所にいると予定外の出費がかさんで貧乏になると言われています。
最後のひとつは向です。 続きを読む 地理五訣の分かりやすい説得力
では、風水に大切な地理五訣の続きを説明しましょう。
龍、穴、砂の次は水です。
水は穴の周囲の水の流れ、つまり河川だけでなく流れるものすべて、道路や人も含まれます。また雨が降った後の排水路もこれに含まれます。
水の流れは穴に住む人の貧富を生み出すとされており、吉であれば予定している以上の金銭を手にいれることができる反面、穴に背を向けて流れる背水の場所にいると予定外の出費がかさんで貧乏になると言われています。
最後のひとつは向です。 続きを読む 地理五訣の分かりやすい説得力
中国や台湾を旅行した人なら街中で「命・卜・相」と書かれた看板を見たことがあるでしょう。
これ、日本の繁華街の路上やビルの一角で見る「占い」と同じ意味です。
めい・ぼく・そうと読み、命は誕生日の生年月日や時間、場所の要素から運命、宿命を占い、その人の気質や人生の傾向を表します。
この占いに用いるのが有名な四柱推命ですが、ほかにも河洛命理や六壬命理、中国の占星術である七政命理などが用いられます。
卜は人の関わる事項の占いで、物事の決断に迷っている時などに用いられます。 続きを読む 鉛筆を転がして占うのも「命・卜・相」
前項で中国の占い、「命・卜・相」を紹介しましたが、これらの占いは運命を決める術と解釈されており、さらに中国医学の医、食事や功法によって身体を鍛え、病気になりにくい身体を作る技術である山が加わって、本来は五術と呼ばれています。
この五術は運命を決めるために働く作用の分類、すなわち術論ですが、それぞれの方法論をまとめたのが六大課。
太乙神教、奇門遁甲、六壬神課と呼ばれる3つの五術体系を三式、河洛易数、星平会海、宿曜演禽と呼ばれる五術体系を三典と称し、これを合わせて六大課としています。
これらの方法論それぞれに風水は深く関わっており、三式では太乙風水が天時を得る・・ 続きを読む 風水をさらに高めた六大課
風水は地形を読む巒頭に、目に見えないさまざまな要素を判断材料に取り入れた理気を加えたことによって複雑化していきます。
さらに方法論として特化した六大課があり、これの集大成が風水となるわけですが、これだけ複雑化していくと、術法においても流派が生まれてきて、風水の枝分かれが起こるのも当然の成り行きですね。
とくに、目には映らない要素を多く取り入れる理気派は異なる解釈が必然的に生まれてくることから、玄空派や八宅派が枝分かれ、また玄空派だけでも飛星派と大卦派があります。
ちなみに欧米では玄空飛星派が主流を占めており、フライングスター風水と呼ばれています。 続きを読む 複雑化がさまざまな風水流派を生む
風水で欠かせないのが式盤。
風水術師が使っている、方位や干支などがびっしり書き込まれている正方形の盤を見たことがある人も多いでしょう。
基本形は正方形部分が地盤、正方形内部にある円形部分が天盤と呼ばれており、天盤を作動させて地の方位と星の位置を組み合わせ、さまざまな占いを行います。
西洋占星術のホロスコープと似ていますね。
ただし、この式盤も前述した六大課の中に含まれている三式によって若干の違いがあります。 続きを読む 風水で使う式盤は流派によって若干異なる
風水が日本へ伝来された話は後述するとして、その前に風水の歴史について説明しましょう。
風水の完成は中国の明時代(1368~1644年)とされているので、その歴史から見るとかなり遅いと言えます。
前述したように、風水は巒頭(地形を見る占術)から始まり、理気(目に見えない要素の占術)が加わって、その方法論が発達、流派が生じてそれぞれの式盤が作られた年月を考えると、完成まで長い時間を要したことも理解できるでしょう。
風水の起源は殷の時代(紀元前17世紀頃~紀元前1046年)、当時の「卜宅」とされています。 続きを読む 風水の起源は「卜宅」から
風水に限らず、占術はすべからく予言を実現させるスーパースターの登場によって世に流布されていきます。
西洋占星術では数学や天文学に多大な貢献を残した古代ローマの学者、クラウディオス・プトレマイオスがそうであったように、風水にも西普・東普(265~420年)の時代に郭璞(かくぼく)が登場しました。
河東間喜(現在の山西省)の寒門の生まれ(要するに貧乏な家ですね)ましたが、幼少の頃から勉学に勤しみ、五行・天文・卜筮(ぼくぜい・占術の意味)に秀でて、その才能は三国志に出てくる占術師、管輅(かんろ)をしのぐほどと言われました。 続きを読む 風水界のスーパースターは郭璞
中国西普・東普以前の三国時代は魏の曹操、蜀の玄徳、呉の孫権によって繰り広げられた戦乱の世で、これまでに三国時代を題材にした物語が多く生まれているので、部分的に知っている人も少なくないでしょう。
三国時代に占術師として業績を残したのが、郭璞の章にも出てきた管輅(かんろ)で、史書の三国志にも記述が残されています。
三国志では管輅が多くの武将の生死を予言したことで占術師としての高い評価を得ていますが、ここではその後の戯曲に使われたエピソードを紹介しましょう。
管輅はある日、19歳になる趙顔という若者の顔を見て、あと数日の命であることを告げます。 続きを読む 三国志で風水師として活躍したのは管輅
コミックの話題が出たところで、風水が登場する物語の一部を紹介しますね。
風水が登場する物語で、日本でもっとも有名なのが1985年に発表された荒俣宏氏によるSF小説、「帝都物語」でしょう。
帝都壊滅を目論む魔人の大日本陸軍将校・加藤保憲とそれを阻止しようとする人々の活躍を描いた作品で、物語は明治末期から昭和73年まで続く大作です。
この魔人・加藤保憲は風水に詳しく、大地を巡る龍脈を操作して大地震・関東大震災を引き起こすほどの魔力を持っています。 続きを読む 帝都物語は風水を大々的に取り上げた小説
風水の根底には儒教があるので、韓国の歴史ドラマにも風水はよく出てきます。
その代表的なのが「大風水」。
朝鮮王朝樹立を風水の視点から描くという壮大なテーマでしたが、TVドラマとしての質が悪く、酷評されていたので、ここではそんな物語がありました、という程度に止めておきましょう。
大人向けのアニメで、現在もコアなファンが多い隠れた名作、「カウボーイ・ビバップ」の第21話、「ブギ・ウギ・フンシェイ」はメイファという宇宙風水師の弟子と主人公の1人、ジェットの物語でした。 続きを読む カウボーイ・ビバップに登場する宇宙風水
夢枕獏氏の伝奇小説「陰陽師」は主人公が六壬神課を習得した安倍晴明が主人公ですが、小説やその後に映画化、またはドラマ化された内容では風水師というより、タイトル通り陰陽師として描かれています。
この辺りが中国や韓国、台湾などの風水と日本の陰陽五行の違いでしょう。
小説「陰陽師」は平安の都、京を闊歩する魑魅魍魎と安倍晴明が戦うというストーリーものなので、興味のある人はぜひお読みください。
ここではそろそろ、風水が日本に伝来された時の話に戻しましょう。
風水が完成したのは前述したように明の時代(1368年~1644年)と比較的新しいのですが、すでに5~6世紀の奈良・飛鳥時代には中国からの僧によって占術の一部、とくに六壬神課が入ってきており、これを基本として陰陽道が発達、中国の風水とは異なった占術が発達していきました。 続きを読む 魑魅魍魎と戦う陰陽師
風水の盛んな国では龍脈を妨げる建築物は生活に貧することになるので、必ず龍脈を保った建築設計を行いますが、日本の家相には風水にない鬼門があり、その方角には人が出入りする玄関、水回りの風呂や洗面所を配置しない風習が今でも強く残っています。
鬼門は良(うしとら:丑と寅の間)の方位のことで、良の正反対の方向、坤(ひつじさる)も裏鬼門と呼ばれ、同様に忌み嫌われる方位となっています。
方位を凶とするのは風水の基本である巒頭と同じですが、風水はこれに理気を加えることによって占われる本人の方位は自在に変わることに対し、鬼門は日本中、どこでも同じ方位であり、方位から鬼門とする点が風水ではなく陰陽道といえるでしょう。 続きを読む 日本の家には鬼門がある?