「占いの話」カテゴリーアーカイブ

一度は融合した科学から乖離する占星術

12世紀ルネッサンスで再発見された占星術はヨーロッパの天文学と融合、医学や政治の決定事項など重要な地位まで高まりましたが、天文学がさらに進むとそれまで信じられていた天動説が地動説に覆され、しかも太陽という占星術において絶対的な存在までが宇宙の中における単なる恒星のひとつに過ぎないことが分かると、占星術の神秘的部分が急速に失われ、占星術は科学から切り離されて萎んでいきます。

しかし科学がどれほど進化しても人間の内面にある神秘性まで乖離させることはできません。

むしろ、現代でも科学では解明できないことが多すぎるから神秘的要素がいろいろと登場するといえます。 続きを読む 一度は融合した科学から乖離する占星術

神智学によって息を吹き返す占星術

神智学とは、神と結びつくことによって神の持つ神聖な知識を会得し、高度な認識に達することを目的とした学問的宗教で、古くは哲学や宗教の異端派に見られましたが、19世紀に登場した神智学協会はそれらの神智学とまったく結びつきがなく、ロシア出身のヘレナ・P・ブラヴァツキー(通称ブラヴァツキー夫人)が提唱した思想・実践で、アメリカ人のヘンリー・S・オルコット(通称オルコット大佐)と共同で組織化した団体です。

ブラヴァツキー夫人によると、神智学は宗教ではなく、神聖な知識、または神聖な科学であると提唱していますが、その実態はかなり複雑で、神秘的要素を取り入れながらも、その神秘的要素が独自の理論体系を持っていることが求められ、西洋と東洋の宗教合致を目指しているものの、既存の宗教に対しては否定的というつねに二律背反の定義を持っていました。 続きを読む 神智学によって息を吹き返す占星術

そして占星術は星占いに

アポロ11号が月に着陸、アームストロング船長が月面を歩いたのは1969年のことです。

しかし世界情勢はベトナム戦争が東西冷戦を招いて第三次世界大戦開戦の危機に陥るなど先行き不透明な起爆剤を抱えていました。

そんな時代、流行るのは唯物的ではなく精神世界の神秘性です。

1970年代はニュー・エイジ(日本では団塊の世代)の台頭と同時に反戦主義が蔓延、精神世界を視覚化したサイケデリック・ブームが巻き起こります。

このニュー・エイジが求めたのが、自己探求ツールとしての占星術です。 続きを読む そして占星術は星占いに

宇宙は未だ解明されず占星術にも新たな可能性が

特殊相対性理論によって、宇宙はビッグバンから始まった、というのが現代の宇宙論における定説となっています。

しかし最先端の物理学を持ってしても、ビッグバン以前の宇宙がどのような状態であったか解明されていません(もちろん、あらゆる分野から仮説はそれこそ星の数ほど出ていますが)。

1980年代までは、宇宙は縮小に向かっているという定説が1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡の観測結果によって、現在も宇宙は加速しながら膨張していることが分かって定説が覆されました。

1990年なんて、天文学の歴史から見たら、ついさっきの出来事みたいなものです。 続きを読む 宇宙は未だ解明されず占星術にも新たな可能性が

新しい占星術が生まれる可能性

占星術はギリシャ哲学と結びついて確立されましたが、その後、キリスト教によってヨーロッパから排除され、インドや中東で独自の発展を続けましたが、再び表舞台に登場するまで1000年が経過しています。

12世紀ルネッサンスで隆盛を極めた占星術は天文学や物理学の進歩によって、17世紀になると再び学問的分野から姿を消します。

それから400年余り。

現在の占星術は17世紀に科学から乖離した時の状態とあまり変わっていません。

だからといって天文学が格段に進歩したわけでもありません。 続きを読む 新しい占星術が生まれる可能性

風水を取り入れて設計された香港の『蟹ビル』

香港に行った人なら誰でも目にするのが世界最大級の銀行金融グループ、香港上海銀行(HSBC)の香港と環太平洋を管轄する本店ビル、通称『蟹ビル』。

九龍島から香港島に向かうスターフェリーに乗ると、正面にそびえる独特と鉄骨組みを持ち、香港ドルにも描かれているビルですね。

イギリスの建築家、ノーマン・フォスターが設計、1985年に竣工し、高さ178.8m、44階建てのビルは完成当時、香港島の中環(セントラル)地区で最高の高さを誇っていました。

当時の最先端技術をふんだんに取り入れており、中でも超高層ビルとしては世界初のなる吊り構造を採用、その後の超高層ビルのランドマーク的存在にもなっています。 続きを読む 風水を取り入れて設計された香港の『蟹ビル』

中国タワービルと風水戦争が勃発

香港上海銀行の本店ビルに関する風水のエピソード、まだあります。

エントランス左右にある1対の獅子、片方は口を開け、片方は閉じています。

口を開けている方は運気を呼び込み、口を閉じているのは運気を逃さないためといわれており、運気がない人は口の開いている獅子と、運気が向いてきていいる人は口を閉じた獅子と一緒に写真を取るとご利益がある、とされ、最近流行りのパワースポットになっています。

これだけならまだ微笑ましい部分もありましたが、1989年、中国銀行が香港上海銀行本店ビルのすぐ横に高さ367m、78階建ての中国銀行タワーを建築したことから有名な「香港風水戦争」が始まります。 続きを読む 中国タワービルと風水戦争が勃発

風水は科学より歴史のある学問

『香港風水戦争』、考えてみれば1999年まで香港を統治していた英国に本社を置く香港上海銀行と、2000年から特区として統治する中国を本拠地としている中国銀行の面子争いという背景もあるので、風水だけでなく何かにつけ難癖を起こすのも分かる部分があります。

個人的には中国特区になる以前の香港の方が好きなので香港上海銀行に頑張っていただきたいのですが。

最先端の超高層ビル設計のデザインが風水の基盤上に成り立っているというのは非科学的な気もしますが、そこはお金にシビアな中国人(いや、ユダヤ系やアラブ系も以前よりシビアであり、最近は日本人でさえすっかりシビアになっていますが)。 続きを読む 風水は科学より歴史のある学問

非科学的とは科学で証明できないこと

非科学的、とは科学で解明できないことのすべてを称します。

確かに龍の通り道を塞ぐと運気が下がる、とか、隣のビルの先端がナイフのエッジのようだから大砲をその先端に向けて運気を高める、などということを科学が立証できるわけではありません。

もちろん、非科学的だからといって事実を否定することはできません。

とくに中国は東洋思想の根源であるだけに、言ってみれば非科学的な物事の大倉庫みたいなものです。

東洋思想から見れば西洋思想の科学なんてものは17世紀移行に確立された新参者であり、それまでの科学は現代科学に比べればマヤカシみたいなものに過ぎない、と言われても仕方がない部分を持っています。 続きを読む 非科学的とは科学で証明できないこと

運気を高めるための学問が集大成

中国だけでなく、今や日本や世界中に深く浸透している風水ですが、ここでもう一度、風水とはなんであるか、簡単に説明しましょう。

風水が「運気を高める」こと、高めるためには気の流れを利用することは風水に興味を持つ人の多くが知っていることですが・・。

中国4千年の歴史を持つだけに、それほど簡単に運気を高められるわけではありあせん。

風水は、その土地の持つ気の流れや勢いといった龍脈を重視する巒頭(らんとう)と、風水以前から占いに利用されていた陰陽五行思想や八卦、方位などを元にする理気が混ぜ合わされた環境学、人相学の集大成です。 続きを読む 運気を高めるための学問が集大成

龍脈は風水でも大切な要素

風水を知る上で大切なのが龍脈です。

中国では神話上の動物、龍は古代より絶大な力を持っていると崇拝されており、とくに歴代の皇帝には5爪の龍の紋章や与えられ、皇帝以外は貴族が4爪、3爪は大臣など階級を表す象徴にも使われてきました。

龍が運気を運ぶ崇拝対象となったのはインドのコブラ神が元となっていますが、中国にはコブラがおらず、しかも恐竜の骨が多く見つかったことから龍伝説が盛んになったと言われています。

香港の男くさい映画には必ず出演者の名前やタイトルに「龍」の文字がつけられるのも頷ける話ですね。 続きを読む 龍脈は風水でも大切な要素

風水の地理五訣とは?

風水の大切な要素となる龍脈は起伏の激しい土地を好むといいます。

確かに中国の龍を見るとトグロを巻いている形状が多く、真っ直ぐと間延びした龍をあまり見かけることはありません。

起伏の激しい土地を好むのであれば、大平原の多い中国よりも日本の方がはるかに好まれそうですが、風水の重要な要素は龍だけでないところが風水の難しいところです。

風水には地理五訣(ごけつ)という言葉があります。

これは地理的要素を5つに分け、それぞれの特性を記したもので、例えば龍脈を作る龍は土地のうねりや起伏などの形状の意味で、ほどよい起伏がある形状は「貴龍」と呼ばれ、多くの良い「気が集まって住む人の身分や地位を高くします。 続きを読む 風水の地理五訣とは?