満月の夜の不思議なこと、といえば、やっぱり海洋生物の産卵でしょう。
とくにサンゴの産卵は有名ですが、なぜ5~9月の満月の夜に限って産卵するのかは解明されていませんが、水族館の水槽の中でも満月の夜に産卵するといいます。
サンゴだけでなくカニも満月の夜、産卵の行動を起こします。
たとえば沖縄に生息するオカガニ。
名前が示すように成長すると海から陸に上がり、海岸近くの樹木の下に穴を掘って生息しますが、サンゴと同じく5~10月になると産卵のために一斉に海に戻ります。
ところが沖縄本島の北部にはオカガニが生息する森林部分と海岸線の間に交通量の多い国道58号線があり、産卵時に横切るカニを車が轢いてしまうという事故が多発するようになりました。
オカガニにしてみれば道路よりも先に産卵行為を行っていたので動線を変えることなんてできません。
この事故に対して沖縄の人はカニと交通の共存を目指し、いろいろな方法を採択します。
たとえば国道58号線にはカニの歩く姿をイラストにした「カニ注意」の標識がありますが、これ、日本広しといえど、国道58号線だけでしょう。
それから道路の側溝を高くしてカニが侵入できないようにすると同時にカニの通り道を作り、カニが道路上を横断しなくても海へ行けるようにしました。
また産卵時には国道事務所の職員や地元の高校生が道路上で迷っているカニを海まで連れていくボランティアも行っています。
なんでこういう話、バラエティのTVでもっと取り上げないんでしょうね?