この天文学の十二支と陰陽五行思想の十干が組み合わさったのが十干十二支、本来の意味の「干支」です。
十二支に十干を組み合わせた記述はすでに殷の時代に見られ、戦国時代以降は年月日や時刻、方位にまで応用されています。
この干支を使って式盤で占うのが陰陽道や風水。
なにしろ陰陽に五行、さらに十二支を配して占うのですからその方法はとても複雑で、玄関口に金のお着物を置け、とか、水周りは鬼門に配置しろ、などと通り一辺倒な簡単なものではありません。
ちなみに十二支に十干を組み合わせる時、子(鼠)から陽、丑(牛)は陰、というように奇数は陽、偶数は陰になります。
したがって甲寅(きのえとら)はあっても乙寅(きのととら)はありません。これをすべて羅列すると60通りになります。
つまり、自分の生まれた年が庚馬(かのえうま)であれば、次に庚馬が巡ってくるのは60年後。
暦が一回りしたことから、60歳が還暦と呼ばれるようになりました。
かつて、還暦のお祝いには赤い頭巾やちゃんちゃんこ、といった衣服を贈ることが慣例となっていました。
これは赤い色が魔除けの意味を持っているので産着に使われていたことから生誕時に戻るという意味が込められています。
でも今の日本、還暦ぐらいの歳では生誕時に戻してくれず、まだまだ働かされています。
還暦になったら10年、いや5年でもいいから子供のように遊んで暮らしても良い、なんて法律、作ってくれないでしょうか?