年賀状に描くその年の干支動物とか、自分が生まれた年の干支動物だとか、いわゆる日本で言われるところの「干支」、じつはその発祥、陰陽思想とも五行思想とも関係がありません。
12の動物が当てはめられた十二支は古代中国における天文学、十二辰が元になっています。
木星は約12年で天球を1周することがわかったため、天球を天の赤道帯に沿って東から西へ12等分したことを十二辰と呼び、太陽や月、惑星などの位置や進行状態の座標に用いられたと同時に、年月の基準として使われました。
12等分にはそれぞれ支(えだわかれの意味)の名前が与えられ、東から子(し)、丑(ちゅう)、寅(いん)、卯(ぼう)、辰(しん)、午(ご)、未(び)、申(しん)、酉(ゆう)、戊(じゅつ)、亥(がい)の十二支になりました。
これらが動物に例えられるようになったのは紀元前200年代で、秦の始皇帝の時代にはすでに生肖が成立していたことになります。
ご存知のように、東からの子がネズミで以降、牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、豚(猪)の生肖が与えられました。
秦の時代には生肖が成立したことは分かっていますが、なぜ生肖が与えられたのか、それは未だ不明です。
バビロニア天文学の十二宮が伝播して十二支と結びついた、という説もありますが、もっと単純に「覚えやすいから」という説の方が有力のような気、しませんか?