たとえば、間取りは申し分ないのになんだか落ち着かないお家があります。質素な雰囲気なのにいつまでもいたくなるようなお家があります。また、さわやかな気分になるところとイライラする土地や場所があります。
多少汚くて繁盛しているお店があると思えば、立地もよくセンスもよいのになかなかお客がこないお店もあります。事故が多発する場所があります。代々不幸が続くお家があります。などなど…
科学的に説明できないけれど、こんなことが現実にあります。これが風水でいうところの「気」の善し悪しです。風水はこの「気」の存在が大前提となっていますので、現代科学に根ざした建築学とは似ているようで根源が違います。
風水では、大地の気の流れを『龍脈』といい、そのエネルギーが噴出する場所のことを『龍穴』といいます。一方、東洋医学では、身体の気の流れる道を『経絡』といい、気エネルギーの出る場所を『経穴』(ツボ)といいます。
古代中国の賢人は、土地、環境、住居における気の流れを、人体の気の流れを見立てました。人体の気を整えて健康な身体に導くように、風水というものは、土地、環境、住居における気の流れを整えていく術であるといえるのです。