家相といえば、鬼門ちうのがおなじみの言葉やね。
「鬼門」ちうのは陰陽道でいう北東の丑寅(艮「うしとら」)の方角のことをええまんねんわ。又、時刻でいえば午前二時から四時を指しており、この時刻は中国では魑魅魍魎、邪鬼や悪魔が出没し人間や作物に害を与える恐ろしい時刻と信じられていまんねんわ。
せやから丑寅は好くない時刻であり、いっぺんに丑寅の方角もよくないと考えられるようになったんや。ほんでこの方向を「表鬼門」「正鬼門」、反対(未申)を「裏鬼門」「女鬼門」とも呼ぶようになりよったちうワケや。
中国に「度朔山(どさくざん)にたいへん大きな桃の木があって、その枝が切れて、それが門のような形になっておったんや。ほんで、その門からようけの鬼達が出入りしとったさかいこの場所を「鬼門(きもん)」と呼ぶようになりよったちうワケや。
トコロがこの鬼達が色々と悪いことをするようになりよった。ほんで、天帝は神茶(じんと)・鬱塁(うつるい)ちう二人の神僕にこの「鬼門」の監視をさせ、中に入ってくる鬼を捕らえては虎の餌にした。
こないな故事から、後に黄帝は、オノレの居城の北東にある門に、桃の枝機を立て、悪鬼から災いを防いや。」と言う話があるんや。
昔話の「桃太郎」もこれと同類のもので、鬼門に桃の木を植えたり、桃の木で神礼をちょうせいするのも、その基はこうした故事に由来していまんねんわ。