古代中国の神話は日本やギリシア、あるいは北欧のように統一されていないので天地創造には諸説ありますが、おおまかに分類すると三皇五帝となり、そのうちの三皇に数えられているのが陰陽思想を説いた伏犠です。
なぜ伏犠と風水が関わるのか、それをこれから説明しましょう。
初期の卜、つまり占事は動物を対象としており、亀の甲羅だとか牛の肩甲骨だとか、そういったものに入ったヒビから物事を占っていましたが、その後、植物の蓍(めどぎ:メドハギまたはノコギリソウのこと)の茎を使った占筮(せんぜい)が主流となります。
占筮の基本となったのが伏犠の思想である陰陽とその派生型である五行説。
これらを組み合わせた八卦が占筮の構成となり、やがて易経と呼ばれるようになります。
占筮をまとめた著書「易経」は伏犠の著書とされており、中国古来の医学をまとめた「黄帝内経」や地理学の専門書「山海経」と合わせて「上古三大奇書」のひとつに数えられています。
ただし、易経は現在の複雑算出方法を持っていても思想的に単純な占術と異なり、森羅万象の成り立ちから変化、そして拡大までを解釈するための哲学的側面を持っています。
しかし、難しい話をさておいてカンタンで分かりやすい部分を抽出したがるのが世の常。
かくして易経は世に広がると同時に風水も含めたあらゆる分野に取り込まれていきます。