風水の歴史は古く、中国の殷(いん)・周(しゅう)の時代に始まったといわれています。
殷・周といえば紀元前1000年以前ですから、すでにその頃、人類は自然現象と人間の運命を結びつけようとしていたわけですね。
古代バビロニアで生まれた占星術も紀元前2000年頃が起源と言われています。
ただし、当時は風水と呼んでいたわけではなく「卜宅(ぼくたく)」と呼ばれていたそうです。
殷・周の時代にはすでに南方の海から入手した希少な子安貝の貝殻を貨幣としていましたが、当時の卜宅は個人の金運欲を満たすためのものではなく、山脈や川の流れといった自然的条件から推察する地相学的見地で宅地や村落の吉凶を占うというものでした。
確かに山脈が運ぶ風や川の流れといった自然現象は農作物の恵みをもたらすと同時に災害も発生させるので、地相学に基づいた占いは現代から見れば因果関係の分からない風水よりもずっと科学的であります。
その土地における風と水という自然現象が土地を豊かにするか、それとも衰弱させるか占う技術、それが初期の風水でした。
因果関係がはっきりしていますね。
現在でもこの風水の基本は本格的な風水ほど大切にしています。
逆説的に言えば、土地における自然現象を無視して財布の色を大切にしろ的風水は因果関係を無視した他の占いの可能性が高いことになります。