日本の家には鬼門がある?

風水の盛んな国では龍脈を妨げる建築物は生活に貧することになるので、必ず龍脈を保った建築設計を行いますが、日本の家相には風水にない鬼門があり、その方角には人が出入りする玄関、水回りの風呂や洗面所を配置しない風習が今でも強く残っています。

鬼門は良(うしとら:丑と寅の間)の方位のことで、良の正反対の方向、坤(ひつじさる)も裏鬼門と呼ばれ、同様に忌み嫌われる方位となっています。

方位を凶とするのは風水の基本である巒頭と同じですが、風水はこれに理気を加えることによって占われる本人の方位は自在に変わることに対し、鬼門は日本中、どこでも同じ方位であり、方位から鬼門とする点が風水ではなく陰陽道といえるでしょう。

今でも北東を嫌って魔除けの意味を持つ柊(ひいらぎ)や南天を植えたり、猿の像を北東に置いたりする慣習が残る地域もあります。

猿の像を置くのは鬼門である丑寅の反対方向が未申という理由からですが、未申が方位的には裏鬼門なのに、鬼門の魔除けとしては12支の反対側だから祀る、という甚だ矛盾に満ちていますが、これを最初に行ったのが京都御所であるため、一般庶民に風習が広まりました。

すでに平安時代から日本は矛盾があっても大元がやっているから、という理由で納得していたわけですね。

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