コミックの話題が出たところで、風水が登場する物語の一部を紹介しますね。
風水が登場する物語で、日本でもっとも有名なのが1985年に発表された荒俣宏氏によるSF小説、「帝都物語」でしょう。
帝都壊滅を目論む魔人の大日本陸軍将校・加藤保憲とそれを阻止しようとする人々の活躍を描いた作品で、物語は明治末期から昭和73年まで続く大作です。
この魔人・加藤保憲は風水に詳しく、大地を巡る龍脈を操作して大地震・関東大震災を引き起こすほどの魔力を持っています。
他にも陰陽師(天皇直属!)の平井保昌や風水師の黒田茂丸など、まさに荒俣ワールド全開のストーリーで、荒俣氏はこの作品によって第8回日本SF大賞を受賞しています。
それまで日本の物語に風水が出てくることはほとんどありませんでした。
日本の風水ブームは荒俣氏のデビュー作となったこの「帝都物語」と、「風水先生」を始めとする一連の荒俣氏の著作によるものと言っても過言ではありません。
「帝都物語」は第10作となる復活編で一旦は完結しましたが、外伝や続編も作られており、本文の中には風水や陰陽道などの専門用語が数多く登場します。
荒俣氏のSF小説は膨大な知識と情報によって描かれているので、風水を理解する上でも面白く読めることは間違いありません。