風水は地形を読む巒頭に、目に見えないさまざまな要素を判断材料に取り入れた理気を加えたことによって複雑化していきます。
さらに方法論として特化した六大課があり、これの集大成が風水となるわけですが、これだけ複雑化していくと、術法においても流派が生まれてきて、風水の枝分かれが起こるのも当然の成り行きですね。
とくに、目には映らない要素を多く取り入れる理気派は異なる解釈が必然的に生まれてくることから、玄空派や八宅派が枝分かれ、また玄空派だけでも飛星派と大卦派があります。
ちなみに欧米では玄空飛星派が主流を占めており、フライングスター風水と呼ばれています。
香港に多くの玄空飛星派風水師がいるため、欧米とのつながりが深いという背景がその理由のひとつでしょう。
フライングスター風水は欧米から日本へ輸入された形で流行りましたね。
日本では八宅派が主流となりましたが、奈良時代に隋からもたらされた陰陽五行の影響が強く、独自の発展を遂げたことから風水全体思想が浸透しておらず、近代まで風水そのものの存在感が希薄でした。
20世紀末から21世紀初頭にかけて風水がブームになり、中国や台湾だけでなく諸外国から風水の情報が流入しているので、現在の日本の風水には確固たる主流がないことが特徴といえるでしょう。