庚(かのえ)は金の陽干で、加工される前の剛金を意味しています。
鉄のように強く、十干のなかでもっとも剛健な陽干と言われています。
それだけに道理を重んじて負けず嫌い、潜在的能力は高いけれど軽率なところや傷つきやすい部分を持っているので鍛錬を必要とします。
庚は更につながるので変革を好むという一面も持っており、自らを変革させる巳、灯した炎を味方につけると強い存在になります。
辛(かのと)は金の陰干で、加工した金属を表します。
辛は新に通ずることからつねに成長を求めて自ら改革を行うという前進的な部分を持つ反面、陰干のため、自らを成長させるもの以外、たとえば巳のように形を変えてしまう支とは反目します。
質と価値観を求めるため、美しさを持っていますが、時に冷たさを感じさせることがあります。
水の作用を持つ亥は辛を輝かせますが、あまりに水が強いと大河や海の作用を持つ子に隠されてしまうという相剋を発生させてしまいます。
壬(みずのえ)は水の陽干で、大きな水、湖や大河、海を表現しています。
川の流れのように自由で、海のように度量が大きく、水のようにつかみどころがないユニークな性格が特徴です。
放置しておくと自由すぎて川が氾濫するように、海が荒れるように他の人に迷惑をかけることがあるので、戌のように固い土や寅のように大木の作用を持つ支がコントロールすれば美しい風景を作り出し、農地に水を注ぐ用水路のような役目をしてくれるはずです。