ヒツジも人と深く関わってきた動物です。
肉や毛は昔から食用として重宝され、皮、毛なども人々に利用されてきました。
古くは古代メソポタミア文明からも化石は見つかり、紀元前7000~6000年前には既に家畜として飼育されていたようです。
中でもヒツジの毛、ウールは服などに使用され、人々の生活に欠かせないものでした。
ヒツジは年に一回、毛を刈られます。
生え変わらないので、人が刈ってやる必要があるのです。
大体、夏の前には刈ってやります。
そうでないと、ウール100%のセーターを常時着ているのですから、ヒツジたちは暑さにやられてしまいます。
そのため、夏に動物園や牧場などで見るヒツジは、大体が刈られた後の姿をしています。
刈られた後の姿は、ヤギと似ていますよね。
野生のヒツジは自然と毛が生え変わるのだそうで、昔はその毛を集めて羊毛として使用していました。
しかし家畜になって品種改良がされ、今のように生え変わらない種になったのです。
野生のヒツジと家畜のヒツジで、違いがもう一点あります。
それはしっぽの長さです。
野生のヒツジはしっぽが短いのですが、家畜用のヒツジは長いのです。
しかし長いだけで虫を払ったりなどもできず、衛生上不潔だったり、交配の際に邪魔になるなどの理由で、生まれてすぐにしっぽを取ってしまいます。
これを『断尾』と言います。
しっぽを取ってしまうと言うと少し怖いですが、これもヒツジのためなのだそうです。