辰、つまり竜は、12支で唯一の空想の動物です。
そもそも、12支は人々になじみのある動物が選ばれました。
しかし、竜は実在していません。
では、どうして選ばれたのでしょうか?
竜は空想上の生き物ですが、実は人々には身近な生き物だったのです。
古代、中国の記録には竜がしばしば出没しています。
どこそこに竜が出た。
これは縁起が良い兆しだから、今年は豊作になるだろう。
竜が出たことは、皇帝の政治が正しいことの証明だ。
などということが記されているのです。
古代、竜は空想の生き物ではなかったようです。
中国では幾つもの書物に竜の足跡を見ることができます。
中には竜を捕まえて飼っていたというものや、乗り物として利用していた、果てには竜を食べたということまで書かれています。
何でも鶏肉に似たような締まった味で、美味だったとか。
さすがにそこまでくると眉唾な感じはしますが、人々にとって竜が身近だったことは間違いないのでしょう。
その当時、人々は本当に竜を見ていたのかもしれません。
もしかすると今も竜がどこかで飛んでいるのかもしれませんね。