毘沙門天は、元はヒンドゥー教の神でした。
仏教に帰依すると仏法を守護する一尊となり、北方を守護している武神です。
この毘沙門天は、トラと大きな関係があります。
全国の毘沙門天を祀る社の総本山、信貴山朝護孫子寺に聖徳太子が物部守屋を討伐しようと戦勝の祈願をしました。
すると天空から毘沙門天が出現し、必勝の秘法を授けてくれたのです。
そのお陰で、聖徳太子は討伐できました。
毘沙門天が現れたときが、寅年、寅日、寅の刻だったのです。
それ以来、その寺では毘沙門天とトラを祀るようになったのです。
また、鞍馬山では鑑真和上の高弟、鑑禎上人が鬼女に襲われたのを毘沙門天に助けられました。
そのときも寅の月、寅の日、寅の刻だったのです。
鞍馬山ではそれ以来、初寅の日に参拝すると大きな福を授かる、と言われています。
鞍馬山にはトラにちなんで、神の使いとして一対のトラの像があります。
まるで狛犬のように、その寺を守ってくれているのです。