明晰夢とは睡眠中に見る夢の中で「これは夢である」と自覚できる夢のことです。
一般的に夢は明確なストーリーであっても不条理な断片映像であっても、それを夢と自覚することはできませんが、明晰夢に限っては自分が第三者的になって、夢の状況そのものを変化させ、自分に都合の良いストーリーに書き換えることも可能と言われています。
これまで明晰夢の存在は被験者測定でしか判別できませんでしたが、2014年、ドイツのヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学のウルズラ・ボス氏を中心とした研究チームが意図的に明晰夢を見られるようにする実験に成功しました。
ボス氏によると、明晰夢を見られるタイミングはレム睡眠と覚醒する中間にあり、そのタイミングで微弱な低周波信号を脳に与えることによって明晰夢が見られるようになった、とのことです。
この発見が一般化されれば、心的外傷ストレス障害(PSTD)による悪夢を明晰夢で書き換えることができ、心的外傷そのものが取り除ける可能性が高くなります。
また夢の書き換えができるようになれば、当然、それを娯楽のために使いたがる人が出てきて、その欲求を満たす装置の登場も予測されますね。
夢を見る仕組みが分かっていないのに、娯楽のために装置が出回ることをボス氏は懸念しています。