夢のアイデアが秀逸な「インセプション」

他人の夢の中に入り込む、という物語はいろいろありますが、映画で秀逸だったのが「インセプション」です。

主人公のコブは他人の夢の中に侵入してアイデアを盗む企業スパイで、日本人の斉藤からライバル企業の社長の息子に侵入し、企業解体のアイデアを夢の中に植えつける(インセプション)という難しい仕事の依頼を受けます。

クリストファー・ノーラン監督による2010年に製作された純粋なハリウッド映画ですが、斉藤役に起用されたのが渡辺謙さん。

主人公役のレオナルド・ディカプリオに負けぬアクの強い斉藤役を熱演していたことが強く印象に残っている作品です。

夢の中にアイデアを埋め込む、というモチーフそのものはたいして新鮮ではありませんが、SFXで構築された夢の世界の表現力が卓越しています。

現実味を帯びていながら一瞬のうちに展開が変わる状況、夢の層があり、深層に行くほど時間の進み具合が早くなること、最深層の廃墟と化した世界、それから現実と夢の区別をつけるためのアイテムなど、いつの間にか、自分も夢の世界に入り込んで今が現実なのか夢の中なのか、一瞬、疑ってしまうほどの内容となっています。

世界でも肯定的に受け止められており、イギリスのエンパイア誌は5つ星を与えています。

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