フロイトとユング

では、夢はまったく個人の役に立たない、無用の産物なのでしょうか?

一概にそうとも言い切れないところが夢の面白いところでもあり、だからこそ夢、つまり脳の研究が進められているワケですね。

前述したように、夢が後世に残る発明や芸術の端緒にもなりましたが、それらが端緒となった原因を探る前に、現在の夢の研究がどのように進んでいるのか、それを検証していきましょう。

夢が、古代から続いていた占いやお告げから切り離されたのは前出のフロイトとユングによる夢分析が提唱されてからです。

フロイトはスイス出身で1856年生まれ、ユングはドイツ出身の1875年生まれですから、ほとんど同世代と言ってもいいでしょう。

ともに精神科医で、フロイトは神経症研究や心的外傷論研究、無意識の研究を行い、それらの業績は根幹部分で現在も引き継がれており、精神分析的な哲学においても影響を受けた人物が多いことから、その種の哲学の創始者とも言われています。

一方のユングは人間の心理と科学の接点を求め、心理学を研究、精神疾患の治療と研究に務めた結果、当時の精神医学では治療できなかった統合失語症の治療方法に大きな道筋を残しています。

一般的にはフロイトの方が科学寄り、ユングの方が精神世界寄りという見方がされています。

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