エンターテイメントとしてのABO式血液型性格分類を確立したのが能見正比古氏で、その源流となったのは古川竹二氏の「血液型と気質」です。
医学界や教育界からも注目された学説ですが、残念ながら古川市の学説を追試すると統計的に例外が多くなり、残念ながら最終的には否定されてしまいます。
しかし古川氏の学説の影響は大きく、当時の大日本帝国陸軍、いわゆる日本陸軍は古川氏の学説の則れば優秀な兵士を組織できると考え、実際に兵士の血液型を採取して兵士としての資質を調査していました。
もちろん大日本帝国陸軍の血液型による組織は望む結果が得られないことから中止に至っています。
1980年代、企業がABO式血液型による組織作りや面接材料としていたのを見ると、そういった企業は大日本帝国陸軍がやっていたこととたいして変わりありませんね。
もっとも、ABO式血液型を軍隊組織に応用しようとしたのは日本人だけではありません。
ナチス党が第一党となっていたドイツでは、ドイツ人にもっとも多い血液型は「高い知能」を持ち「勤勉」な性格と位置づけ、ユダヤ人やアジア人に多い血液型は「暴力犯罪者」「精神薄弱」を持つ性格として否定的に扱い、プロパガンダに利用していた経歴があります。