現在のABO式血液型性格分類の基礎を築いたのは1970年代に活躍した能見正比古氏です。
しかし、能見氏も最初からABO式血液型が性格分類を表すという考えを持っていたわけではありません。
能見氏がABO式血液型性格分類をエンターテイメントに(たとえ本人は統計学的であったとしても)高めた貢献者であるのなら、能見氏にABO式血液型性格分類の影響を与えた古川竹二氏がその源流といえます。
古川氏は1891年から1940年まで存命だった教育学者であり心理学者です。
古川氏は東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大)付属高等女学校で教諭をしていた時代、かねてより入試は試験問題だけでなく性格も考慮に入れるべきという考えを持っていました。
入試で使えるくらいの客観的性格測定を行う際に着目したのがABO式血液型です。
そこで親族を中心にABO式血液型を調べ、その気質をまとめた論文「血液型による気質の研究」を1927年に発表、さらに1932年には「血液型と気質」「血液型と民族性」という2冊を出版しました。
当時は心理学の部門だけでなく、医学や教育などさまざまな分野で古川氏の学説が注目され、多くの追試が行われた経緯があります。
能見氏は古川氏の基本的な考え方を取り入れ、それを独自の形で発展させたわけですね。