1990年代から2000年代は「発掘!あるある事典」やその他のTVバラエティを見ても分かるようにABO式血液型による性格分類が過熱していた時期でもあります。
その流れに一石を投じたのが「万能鑑定士Q」や「催眠」などの著作で有名な松岡圭祐氏が2006年に書いた「ブラッドタイプ」。
血液型で悩む3人の主人公の物語で、とくに面白いのが過去、B型男性からひどい仕打ちを受けたため、B型に強い拒否感を持っている女性が骨髄移植の手術を受けることになり、移植によってB型になることを頑なに拒否するという話。
全体的にB型が虐められていますが、なかでも骨髄移植の女性が「B型になるくらいなら死んだほうがマシ!」という辺り、笑えます。
これだけなら一石を投じるところまで行きませんが、松岡氏のその後の行動がユニーク。
なんとネット上に「究極の血液型心理検査」という、カンタンな画像と自分の血液型をクリックするだけで本人の性格を言い当てる特設サイトを作りました。
訪問者数およそ45万人というから、広告を出していればさぞ儲かったでしょう。
そして訪問したほとんどの人が「当たってる!」と絶賛しました。
果たして松岡氏、どのようなシステムを構築して究極の血液型心理検査を作ったのでしょうか?
08.究極の血液型心理検査の種明かしとは?
ABO式血液型をテーマにして「ブラッドタイプ」を執筆した松岡氏、「究極の血液型心理検査」という特設サイトを開いて話題を呼びました。
その検査をしたほとんどの人が当たっている!と絶賛したのですからたいしたものです。
そのシステム、巻末に書かれていたパスワードを入力すると種明かしが分かるようになっていたという点がいかにも 松岡氏らしいところ。
種を明かすと設問や自己申告によるABO式血液型の入力とその検査結果にはまったく関連性がありませんでした。
当たっている!と思った人、かなり恥ずかしいですね。
「ブラッドタイプ」の惹句には「血液型で性格は変わらない お願い!それを証明して!」と書かれています。
つまり松岡氏はABO式血液型の性格分類に対して否定的で、小説に合わせてそれを証明した形になります。
ここまでABO式血液型信者を追い込むのも大人げない気がしますが、松岡氏、催眠療法を学んでおり、マジックショーでおなじみの舞台催眠術にも精通していることから一時、芸能人として活動していた時期が科学的根拠のないものに対する否定に影響していると考えられます。
確かにABO式血液型信者って、指でパチン!とやる催眠術もすぐに信じそうですよね。