相手の言動にチラと現われる危険信号を察知するためには、船の舵手のように、ふだんはゆったりとした気分で、行く手の海面を見渡していれは良い。といっても、これは舵手がよそ見をしていたり、眠ってしまったりしてはいけないことは自明の理であろう。
そして、相手の言動にこのチラが現れたら、そこから生ずる危険を回避するための方策を直ちに講じなくてはならない。では、どのような方策を用いれば、それを回避できるのだろうか?考えられるのは次に示す三つの対応策である。 続きを読む 相手の言動を察知せよ
相手の言動にチラと現われる危険信号を察知するためには、船の舵手のように、ふだんはゆったりとした気分で、行く手の海面を見渡していれは良い。といっても、これは舵手がよそ見をしていたり、眠ってしまったりしてはいけないことは自明の理であろう。
そして、相手の言動にこのチラが現れたら、そこから生ずる危険を回避するための方策を直ちに講じなくてはならない。では、どのような方策を用いれば、それを回避できるのだろうか?考えられるのは次に示す三つの対応策である。 続きを読む 相手の言動を察知せよ
文豪パルザックの言葉に次のようなものがある。「友人同士、自分が相手より少しすぐれていると思っている限り、その友情はつづく」人間は自分が他よりいくらかでも優っているという確認を無意識の内に、そして常にとりたがっている生物である。
ゆえに、自分が少しでも他より劣っているのではないかとの懸念に襲われると、甚だしく動揺し、かつ苦しむのである。 続きを読む 言動の危険信号は、不機嫌によるものと知れ
「歯の浮くようなお世辞と解っていても、女性は自分への讃美に対し悪い気はしない」ということわざがある。これは何も女性に限ったことではなく、世間の大多数の人間がそうなのである。人々は自己重要感の低下を何より恐れている。
それぞれを高めてくれる言葉に接すると、たとえそれが嘘と解っていても嬉しいのである。自分を嬉しい気持ちにさせてくれる相手に会うのは、また嬉しいものである。だからこの人はお世辞をいった人に魅きつけられるのである。
続きを読む 相手の自己重要感を高めよ
古語に「面をおかして諌言する」という言葉がある。これは、臣下が王の不興をこうむるのを承知で忠言をなさんとすることだが、この「面をおかす」という意味は、考えてみるに、相手の面目つまりプライドをつぶしても、相手の間違いを正そうということだと思う。
この場合、臣下は王の激怒を買い、よく殺されてしまうのだが、臣下はその死を覚悟して諌言するのである。忠言、アドバイスという行為には、逃れられぬ一つの宿命的な副作用がともなう。
続きを読む 忠言には危険性が伴う
「ツキ」とは具体的にいえば、どういうことなのだろう?「地位の昇進」「よい女に好かれる」「コネを得る」などもあるが、総じてそれは「物質的恩恵が自分の方へやってくる」という意味であり、もっと端的にいうならば、それは「おカネがこっちにやってくる」ということである。
おカネは人間の発明した「物の象徴化されたもの」であり、そしてそのおカネは、人間に付随して動き廻るのである。つまり、おカネを引き寄せるということは、人間を魅きよせるということであり、更にいえば、それは人間の気持ちを自分の方へ引きつけるということになる。
続きを読む ツキは魅力によって引き寄せられる
たとえば、ある女性を好きになったとする。これは無論、性欲の対象としての意味である。すると、あなたは彼女の歓心を得ようとするだろう。この「歓心を得る」という行為が、相手に快を与え、その代償あるいはお礼として、相手は愛と肉体による、あなたの性欲を充足させるための支払をしてくれることになるのだ。
すなわち、4の性欲を満たそうと欲するならば、この4以外の四つの本能的衝動のいずれかを、相手に対してサービスすることである。
続きを読む 相手に快感をくり返し与えよ
俗にいう「口八丁、手八丁」という、弁が立ち、才覚のありそうな人は、意外とセールスマンとしては、大きな業積を上げ得ないことが多い。生命保険の外交員で、年間業績におけるトップの契約高となった杉並区のある主婦は、サラリーマンの奥さんで、ごく地味なタイプ、二児の母親であった。
この主婦がトップの成績を占めたのは、企業や、大組織のかなめ要にある重要人物に接近し、その心を捕え得たからである。
続きを読む 心から関心をもって相手の話を拝聴せよ
「おのれの欲せざるところを、人に施すことなかれ」という言葉がある。
だが、その上に、時には「おのれの欲するところを、人に施してはならない」場合も、ままある。
それは、自分の欲していることでも、相手が欲していないことがあるからだ。
ところが、いわゆる好人物といわれるような人は、相手のこの気持が見抜けない。 続きを読む 相手の立場に立って考えよ
「礼儀とは、相手に対し、真に敬意が生じた時に自然にそれが行為となって現れたものである」と信じていたら、それはあなたの運気を阻害している考え方である。
礼儀が人間社会に生じたのには、それぞれの必要性によるさまざまな理由がある。
長幼の序、階級的秩序を立てるため、また、野卑な言動を制し平和友好的な社会を保持するため、といった理由である。 続きを読む 礼儀は身を守る最大の武器である
運を興すものは、自分の内に燃え上がる欲望の火である。
すべての事が成るためには、この欲望の火こそ、その原点であり、この火なくしては何によらず成功はあり得ない。
故に、心の内に、常に願い求める情熱の火をかき立て続けることが大切である。
ところが、世間の人々、周囲の隣人、友人たちは、善意からであるにしろ、それにとかく水を差すのである。 続きを読む 欲望の火こそ、成功の原点である
心の内の欲望の火も、現実に燃える火も、その取りあつかいのやり方は同じである。
われわれ人間は誰でも、火のとりあつかい方を知っている。
かまどを築き、そこに鍋をのせ、食物を煮る。
そして、その火が周囲に拡がるのを防き、火事にならないようにする。
また、ヤケドしないように注意することもできる。 続きを読む 欲望達成のため、一時的に欲を捨てよ
「いざとなると、企業の側は冷めたいものですよ」と、その女子社員は私にいった。彼女が「辞めたい」と申し出たら、陰に陽に冷たいそぶりを上司が見せるのだという。「それは、あなたの考え方が間違っています」と私は率直にいった。
「なぜなら、あなたは、まず会社側に辞めたいということによって、冷めたさを表示したからです。冷めたさをこちらから、まず示したから、相手側からも、その冷めたさが返ってきただけなのです。それは意味もなく、偶発的に生じたものではありません」
続きを読む 相手の冷たさを容認せよ