ご当地音頭はいくつもありますが、市町村という小さな地区の音頭で最も有名なのは『東村山音頭』でしょう。
東村山市は東京の北西、多摩地区にあります。
埼玉県と面していて、隣りは埼玉県所沢市です。
15万人ほどの人口ですが、特にこの地方の中でも大きいというわけではありません。
そこまでの特徴があるわけでもないこの市の音頭が、どうして有名になったのでしょうか?
それは、同市出身の志村けんの力でした。
志村けんが『8時だよ!全員集合』の中で東村山音頭をリメイクして歌うと、そこから人気が出て、たちまち東村山市と東村山音頭が全国区になったのです。
しかし、有名になった志村けんの東村山音頭は、本来のものとはだいぶかけ離れたものなのです。
その東村山音頭は東村山一丁目という言葉が出てくるのですが、東村山市には〇〇町一丁目はあっても、東村山一丁目なんてありません。
しかも、曲をそのまま使用している部分もありますが、ドリフターズのリーダーであったいかりや長介が作曲しているパートもあるのです。
聞き比べてみると、両者の違いがよくわかるでしょう。
そのため、純粋に東村山音頭が有名かと言われると、そうではないかもしれません。
ただ、志村けんのお陰で、東村山音頭は全国でも有名な音頭となり、東村山市自体の知名度も上がったのは事実なのです。