三大映画祭と呼ばれるものがあります。
ヴェネチア映画祭、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭の三つです。
アカデミー賞がアメリカの映画をメインにしているのに対して、これらの映画祭に国は関係ありません。
そのため、世界中の作品がそこに集まるのです。
ヴェネチア映画祭は、最も歴史のある映画祭です。
元々は国際美術展の中の映画部門として始まりました。
そのため、商業的な観点よりも、より芸術的な作品が最高賞である金獅子賞に選ばれる傾向があります。
近年は少し商業的な比重も高まってきましたが、それでもここで選ばれた作品は芸術的作品と呼ばれるようになるのです。
ベルリン国際映画祭は他の映画祭に比べると、社会派作品が多く見られます。
これはドイツという国柄や、東西ドイツ時代に作られた映画祭ということと関係があるかもしれません。
また、他の映画祭よりも民衆に開かれていて、動員数も大きく上回っています。
街が共に映画祭を盛り上げているのです。
カンヌ国際映画祭はヴェネチア国際映画祭に対抗するために、フランス政府の支援のもとに始まりました。
カンヌ国際映画祭に併設されている国際見本市も三大マーケットの一つで、映画祭と売り込みのマーケットが同時に開催されるのはカンヌだけです。
この期間、映画を観る人、売り込む人、買う人などの人々がカンヌに集まり、映画の上映と映画のプレゼンが行われるのです。
最高賞であるパルム・ドールを選ぶ審査員は役者などの関係者がその年ごとに変わります。
そのため映画祭の好みというよりも、その審査員の好みによって決まることが多くある映画祭なのです。
これらの映画祭は、アカデミー賞とは一線を画しています。
ハリウッド作品よりも芸術性の高い作品や、骨太な作品が観たければ、これらの映画祭をチェックしてみましょう。