アメリカには、「ミッキーマウス保護法」と呼ばれるものがあります。
実はこれ、著作権の保護期間の延長に関する法律のことなのです。アメリカの映画や音楽など、著作権の保護期間を20年間延長しようとする、この「著作権延長法」が、アメリカ連邦最高裁によって認められたといいます。
それにより、2003年に期限が切れる予定だった、あの「ミッキーマウス」の著作権の保護期間も延長されることになったそうです。
それで、この法律は「ミッキーマウス保護法」などとも呼ばれていたわけです。以下に、その記事の全文を引用しておきます。
■ミッキーマウス延命「著作権延長法」米最高裁合憲判決
【ワシントン=天野真志】米連邦最高裁は十五日、映画や音楽などの著作権の保護期間を二十年間延長した「著作権延長法」をめぐる裁判で、延長法はアメリカの憲法に違反していないとする判断を下した。
裁判では、ネット書籍の発行者らが「延長法は過去の著作物の引用を妨げ、自由な創作活動を阻むもので、憲法で保障された表現の自由を脅かす」などとして、司法省に延長法の運用をやめるよう求めていた。
一九九八年に成立した延長法は、従来は作者の死後五十年間、企業が権利を持つ場合は作品の誕生から七十五年間とされていた著作権の保護期間を双方ともに二十年間延長する内容だった。
この結果、二〇〇三年に期限が切れる予定だったミッキーマウスの著作権(企業が保有)の保護期間が延長されることになり、延長法は別名「ミッキーマウス保護法」とも呼ばれていた。
一部の米メディアは、今回の判断について「ミッキーマウスの延命が最高裁からも認められた」などと伝えている。
最高裁は、著作権の保護期間の決定権は議会にあり、その議会が決めた延長法の制定自体に問題はなく、延長法の内容も表現の自由を損ねるものではないとしている。
(2003年1月16日(木曜日)付け「讀賣新聞」夕刊より引用)