ひと口に「著作権」と言っても、その中には、「複製権」「上演権ならびに演奏権」「放送権や有線送信権等」「口述権」「展示権」「上映権および頒布権」「貸与権」「翻訳権・編曲権・変形権・翻案権」、それに「二次的著作物の利用に関する原作者の権利」など、実に多くの種類があります。
利用形態としては、以上の9種類となります。著作権では、それだけの権利が保障されているのです。
これらの著作権を、第三者が使用するためには、その使用のための許可と使用料を必要とします。つまり、著作権をもっている人にとっては、これらの権利は財産ともなる権利なので、総称して「著作財産権」とも呼ばれているのです。
著作権にはもう一つ、著作者の人格をまもる「著作者人格権」というものがあります。これは、著作者本人が著作したものの扱いをどうするか決める権利です。以下に、この「著作者人格権」を表にして示しておきます。
【著作者人格権】
1.公表権:自分の著作物を公表してよいかどうか、いつ公表するか、またどのように公表するか、といったことを決める権利。
2.氏名表示権:自分が著作物の著作者であることを主張し、その著作名をどのようにするか(本名にするか、ペンネームにするか)あるいは無名にするか、などを決める権利。
3.同一性保持権:自分の著作物を第三者が無断で改変したり(中身の一部が変更されたり)、本などではタイトルが変えられたりするのを禁止する権利。
さらに「二次的著作権」というものがあります。これは、ある原著作物を改変して(改良・改善、あるいは改悪となることも)、新たな作品を創作したさいに、その著作者に対して与えられる権利のこと。
※原著作物のものとは異なる著作権となるため、二次的著作権というわけです。
著作権法では、二次的著作物のことを「著作物を翻訳し、編曲し、もしくは変形し、または脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう」と規定しています。
海外文学や海外の実用書などを翻訳した著作物が、その代表的なものといえます。この二次的著作権には、以下のようなものがあります。
1.翻訳著作権:原著作物の文章を作りかえたものの著作権
2.編曲著作権:原著作物の曲を作りかえたものの著作権
3.変形著作権:原著作物を変形したり、増減させたり、図を加えたり、批評などを入れて、原作を変形させたものの著作権
4.翻案著作権:既存の原著作物の大筋は活かしながら、細かい筋立てなどを変形させた、「翻案」による著作権