■たとえ近くにあっても遠い「特許事務所」?
電話帳の広告を見てその中から、相談する特許事務所を選ぼうとしても、どれも同じように見えてしまうことがあります。
知人などから「信頼できる特許事務所」を紹介してもらえる場合はいいとして、それ以外では、やはり自宅や勤務先の近くにあって、比較的通いやすい場所にある事務所を選ぶことになるのでしょうか。
仮に、自宅や勤務先オフィスの近くで探すとして、同じような特許事務所が4つあったとします。その場合も、外観からでは何も分かりません。
やはり、それぞれの事務所を訪れて、一つひとつ話を聞いてみて、その上で選択するのがよいのでしょうか。わざわざ訪れないでも、調べる方法はないのでしょうか。
一般の人が発明に関心をもったとしても、なかなか特許事務所を利用できないでいるのには、こうしたこともあるようです。特許事務所の情報が、なかなか個人には開かれていないからなのです。
■「特許事務所」選びの最低限の基準
ある弁理士の先生いわく、「よい特許事務所を選ぶための(最低限の)基準」としては、まずその事務所の「交渉力」、それから「処理速度」がポイントになるといいます。
つまり、特許庁に対しての迅速な書類上の手続きはもちろん、特許上のトラブルなども迅速に、そして的確に処理していく能力に長けているかどうかが、評価のポイントになる、というわけです。
たしかに、「先願主義」(※)を採用している日本では、できるだけ早く出願することが求められます。そのためにも、迅速に適正な書類を作成してくれる事務所が望ましいと言えます。
また、依頼者(顧客)にとっては、サービスの内容が同じなら、当然安いほうが「よい特許事務所」ということになります。事務所によっては、「お得意さま割引」とか「顧問割引」などを用意しているところもあるようです。
実は、そういった特許事務所の特色や弁理士についての情報は、個人でも調べることができるのです。次に、それについて述べていきたいと思います。
※「先願主義」:「先に特許庁に出願したものに権利を与える主義」ということです。日本はこの「先願主義」を採用しています。だから、一日も早く出願することが大事なことだと説明されているのです。