■今、特許事務所も料金が自由化に
平成13年1月6日の「新弁理士法」の施行にともない、それまでの「弁理士報酬額表」というものが廃止されました。
これは、弁理士に対する報酬の標準額を記した表で、ほとんどの特許事務所はこれを基準として、長い間利用してきたのです。
この廃止により、今後、弁理士に対する報酬は、すべて依頼者と弁理士との合意によって決められることになりました。つまり、具体的な値段は交渉次第ということです。
たしかに、依頼を受ける発明・考案の内容により、その労力や掛かる時間は大幅に異なることが考えられますので、報酬のほうも、それに応じて変わってくるのが当然かと思われます。
■特許事務所も一つの「サービス業」
「弁理士報酬額表」が廃止された今、特許事務所も他のサービス業と同じように、お客さんに来てもらえるように、これまで以上にサービスの質を高めていかなくてはならないでしょう。もともと、特許事務所も一つの「サービス業」として成り立っているのです。
サービス業であるからには、お客さんでもある依頼者は、なるべく質の高い事務所を求めようとします。「お店選び」ということです。
それでも最初は、電話帳の広告で調べてみたり、あるいは街で見掛けた広告看板や、特許事務所そのものを見掛けたりして、そこを直接訪れる、ということになりそうです。
■「お店選び」も大変?
ふつうの人が特許事務所を選ぶ基準としては、だいたい以下のような項目が挙げられるかと思います。最初のもの以外、どれも具体的な理由はありません。
・利用しやすい場所にあるから・よい雰囲気が感じられる
・所長の感じがよさそう・コスト面で納得できそう
・実績がありそう
こうした行き当たりばったりではなく、どうせ行くのなら、こちらからもっと積極的に、少しでも良い事務所を選んで、そこで相談したい、という人もいるでしょう。
では、個人の発明家が、これから発明相談をするとして、どういう基準で特許事務所を選べばよいのでしょうか?次にそれを見ていきましょう。