特許願には、決められた形式と書き方がある!アイデアを権利化する

仮に、あなたのアイデアが新規性と進歩性を伴っているうえ、それが多くの人から欲しがられるような、そして社会にもよい影響をもたらす、そのようなものだとしたら、そのアイデアはぜひとも特許にしておくべきでしょう。

特許にするには、自分のアイデアの技術内容を書いた書面(特許願)を、比較的速やかに、特許庁に提出しなければなりません。この「速やかに」が大事なのです。もし、同じ内容のアイデアを、他人が先に特許出願してしまうと、もはやその時点で、あなたの発明は世間から認められなくなってしまうのです。

特許の世界では、発明の権利はあくまで、最初に特許願を出したほうにあるからです。これを「先願主義」ということは、前にも説明しました。

これからの時代、一般の人であっても、それなりに特許の知識は大事になってくるでしょう。知的水準が高い日本国民はみな、国を豊かにするためにも(まずは、自分が豊かになるために!)、発明に関心をもち、同時にある程度は特許の知識をもつようになることが望ましいといえます。

そこで、ここでは、簡単に特許の出願書類について、述べたいと思います。

特許の出願書類には、一般的には「願書」「特許請求の範囲」「明細書」「図面」「要約書」があります。

今は昔とちがって、特許願も「オンライン」で出願できるようになっていますが、出願書類の形式については、「特許法施行規則」で厳格に定められているとおりです。

この形式が間違っている願書を出願すると、特許庁から正しい形式に直すよう指示した「補正命令」というものがくだります。それには「何日までに直すように」という期間も設けられています。それを無視して、定められた期間中に補正をしないでいると、出願は無効とされてしまいます。

願書の形式も、左横書きで1行は40字詰めとして、1ページは50行以内とすること、となっています。もちろん、明細書にも形式がありますし、また書き方にもいくつかの約束事がありますので、これを慣れないうちに自分で書くのは、相当に大変です。

この明細書はいわば、発明の技術文書でもあり、また権利書でもあるのです。

特許庁の審査官はここを読んで、あなたの発明の技術内容を把握しようとしているのです。せっかく苦労して書き上げても、その文章が不明確であったり、書き方が間違っていたりしたら、審査官はもうそこから先は読まないで、すぐにも「補正」としてしまうことでしょう。

願書に添える図面もまた、最初から一人で書き上げることは相当な労力を強いられるでしょう。アイデアを形にしていくための、いわば産みの苦しみです。

それでも、まずは特許願を出願するところまでいかないと、その先には進めないのです。

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