自分が考えた発明や独創的なアイデアが、もし経済的な価値を生み出す可能性があるとしたら、何としてもそれを個人で管理できる権利がほしいと考えることでしょう。
たしかに、「知」(アイデア)は「富」(お金)を生み出します。また新しい経済的価値も生み出せるのです。とくに、今は個人がアイデア一つで大儲けできる時代なのです。
それで、経済的な価値を生み出す「知」の財産権ということで、今この「知的財産権」の重要性が声高に叫ばれているのです。
しかし、「物」の財産とくらべると、「知」の財産のほうは、その管理がとても難しいといえます。
「知」のほうは「物」と違って、形がないから、消耗することもないし、傷もつかないし、それに持ち運びに際しての手間やコストも掛からないので、むしろ保管や保存の面では楽な印象ももたれますが、それはあくまで物理的な意味での保管に限った話です。
「知」はそれに形が無いぶん、重要なソフト(情報)の部分が、他人から勝手に使われないように管理したり、真髄であるノウハウの部分が不用意に漏れないように機密保持に努めたりと、ある意味で「物」の管理以上に、大変な労力を要するのです。
これだけの労力をかけて、その「知」(アイデア)を護ろうとするのも、先ほど述べたように、それに経済的価値があるからなのですが、それは個人サイドからすると「財産的価値」とも言い換えられるのです。
だから、ちょっと前まで「知的所有権」と言われていたものは、今では「知的財産権」と呼ばれるようになっているのです。このように、知的財産というのは、アイデアや発明や情報といった「知」の部分が法的に護られたものなのです。
それによって、アイデアや情報の無断使用が抑えられますし、また技術的な発明なども法的な保護が受けられることから、それほど情報の漏洩に気をつかう必要もなくなってきます。
特許法はそうした、「知」の部分の財産権(「知」の部分の所有権)を、法的に保護するためのものです。
あなたが、自分で考えた発明を権利化したい、また法的に保護されたい、という場合は、まずこの特許が登録される必要があります。
そうすることで、はじめて「特許権」という権利が発生し、これによって、自分の発明が無断で他人から利用されることもなくなるのです。