ありとあらゆる商品が氾濫している現在、人々はあまりモノを欲しいとは思わなくなっています。
家電製品や家庭用品は、どれも質がよくて長持ちするので、買い換える必要もあまり感じられません。
家電メーカーのほうでも、もはや製品のハード面では、他社との差がつけられなくなっていることをよく知っています。「すこしでも良い製品を」と、他社間でしのぎを削っていた時代も、もはや過去のものとなりつつあります。
そこで、今はどのメーカーでも、ハード面での開発よりは、むしろソフト面での充実化に力を注いでいるようなのです。
これは、技術の点ではもはや頭打ちとなっているハード面よりも、より人々の感性に訴えかけるソフト面での開発に目が向けられてきたことを意味します。
技術的なハード開発が「男性的なもの」だとすると、感性的なソフト開発は「女性的なもの」と言えるのかもしれません。
「ハード面」では差別化しにくくなっている今、まさに、この「ソフト面」での差別化こそが求められているのです。つまり、これからの商品開発というのは、これまでのような技術面での開発ばかりではないとういうことです。
感性に訴えかけるソフト面での開発、それには、たとえばデザイン(形状や色使い)面での工夫、それに商品に付ける斬新で親しみやすい「ネーミング開発」などもあります。
また「使いやすさ」(使い勝手のよさ)ということも、これまで以上に「製品が売れる、売れない」の大きな分かれ道となっていくことでしょう。
そこで、技術力をもたない個人であっても、発想力(アイデア)さえ豊かであれば、そのアイデアを企業に採用してもらえる(つまり、買ってもらえる)チャンスも出てきたのです。もちろん、そのアイデアが特許となるだけの価値があれば、の話ですが…。
アイデアも、ひとつの知的財産です。もし、そのアイデアが大変に素晴らしいものであれば、企業も喜んで個人から、その「知的財産」を買いたいと思うようになるでしょう。
実際、パテントにしたアイデアを企業に売って、それで儲けている個人発明家はたくさんいるのです。