先願調査に関しても、やはり個人発明家であるなら、ある程度のものは、自分で行うのを心掛けたほうがよい。それなりに高度な発明であるとか、組織力があるというのなら、調査にお金を掛けてもよいとは思うが、まずは「自分で調査」をモットーにしたい。
それに、いくらコンピューターで調べられるといっても、つい最近に出願されたものは、まだコンピューターに登録されないために、調査の対象から外れてしまうこともある(過去3ヵ月前までに出願されたもの等)。もし、見つけようとしている「同等か類似の発明」が、その中にあれば(最近に出願されていれば)、どんなプロの特許調査士でも、それを探すことはできない。
ところで、これまでは、自分で先願調査をする場合は、特許庁か(社)発明協会(各支部)、あるいは広報の閲覧ができる図書館などに赴いて、そこに置かれている「特許公開広報」などを丹念に調べあげていくか、または特許庁のパソコンを使いながら、調べあげていくのが、「個人でもできる先願調査」の典型的なスタイルであった。
もちろん、いまでもその調査スタイルは有効であるし、それに、特許庁や発明協会の相談係員は、不明な点に親切に答えてくれたり、質問にも応じてくれるので、はじめて調査をする人にはむしろ、この調査スタイルが向いているかもしれない。
しかし、いまはわざわざ出馴れていない特許庁などに赴かなくても、通信が可能なパソコンがありさえすれば、自宅にいながらにして、特許庁のパソコンで扱うのと同様の操作で、過去の特許に関する「先願調査」もできるようになった。
さらに、99年の春からは、「特許電子図書館サービス」という、インターネットを利用した特許公報類の閲覧サービスも開始された。これは過去の特許データ量が、これまでに比べると、断然豊富になり、より充実された形となった。
特許庁のホームページと直に繋がっているので、これまで特許庁に行きたくても行けなかった、遠方の人にとっては、正にありがたいサービスである。だから、いまはパソコンを用いて、こういうサービスを利用しさえすれば、自宅のまま先願調査もできる時代となったわけだ。それに、自分で調査を行えばその分、勉強になるし、第一、金も掛からないですむ。
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