発想法にもいろいろあるが、発明の愛好家や個人発明家が集って、皆でなにかアイデアを出しあうような場合には、KJ法が適しているだろう。これは川喜田二郎という人が考案したグループ発想法なので、名前のイニシャルからKJ法と呼ばれているのだ。
同じ目的を持っている人たちで、課題を見つけたり、問題の解決法を探ったりするうえで、この方法はとても優れている。KJ法を、「ブレーンストーミング」という会議用の発想法と併用すると、より効果的である。
皆で自由な意見を出しあって、それらを紙辺(ラベル)に記載していき、同じ意見や似た意見を近いところに貼りつけ、風変わりな意見にしてもそれを尊重しつつ、全体の意見を皆で考えていくうちに、課題や解決法が見つかりやすくなるのだ。
この発想法はそれを皆で行うところに意義があり、またその過程は建設的であると同時に、パズル(遊び)感覚に近いものもあるので、楽しみながら(和気あいあいと)できるところも優れている。難しい顔をした人は誰一人としておらず、それどころか、自由な発想と共同作業で盛り上がってくると、笑いも絶えずこぼれてくる。むしろ、KJ法はこの笑いの雰囲気が高まることが最大の長所なのかもしれない。
私も、以前数回このKJ法をグループでしたことがあるが、その度に、大いに楽しんだのを覚えている。まるで、皆でカルタ遊びや双六でもしている感覚なのだ。だから、発明サークルや発明愛好グループであれば、発明のヒントや問題解決のためのアイデアを見出すために、さらに仲間意識を高めるためにも、このKJ法を取り入れてみるのがよいといえる。