偉大な発明につながるヒラメキ(イメージ)は、ときに夢として、白昼夢として、発明家の脳裏に焼きつくこともある。さらに、ある発明が夢の中のお告げで提示(啓示)されたとか、あるいは実際に、霊界からのメッセージを受けて発明したと主張する人もいる。
私の知人発明家の中にも、霊界からの発明家(複数)が、自分にアイデアを授けてくれると主張する人がいる。過去に生を受けた偉大な発明家たちが、前世でなし遂げられなかった発明を、なんとか完成してもらいたいといって、代わる代わる、発明のアイデアを話し掛けてくるのだという。
そういう声が心の中に聞こえてくるというのだが、これは、ありがたいようで、ありがたくないような、不思議な話だ・・ でも、やはり迷惑な話だろう。もしも、私のところに、そのような霊界からのメッセージが来ても、「他をあたってくれ!」というだろうな。
だいたい、「前世でやっていた私の発明をあなたに教えますよ」という姿勢が気に喰わない。ほんとうに発明を普及してほしいだけなら、そのアイデアを夢とかインスピレーションという形にして教えてほしいものだ。つまり、発明のアイデアが霊界からのものであっても一向に構わない(それはそれで感謝する)。でも、それが霊界からのものだと分からせないで頂きたい、ということだ(誰にお願いしているのだろう?)。
案外、インスピレーションや夢で得るヒントの中には、ほんとうに、あちらの世界(あの世)から来たものもあるのかもしれない。
ちなみに、霊界からメッセージを受けていると主張する発明家は、実際に、霊界からの発明(何百もあるという)を特許に出したりもしている。また、それらの発明の一部は商品化され、日常品としてもよく使われているものがあるから驚きだ。もちろん、製品(発明品)の説明書に、「この発明のアイデアは、霊界の○○氏からのメッセージによるもので、○○氏が生前に考えたところによると・・」などとは書かれていない。特許書類にも、霊界のことが触れられることはないだろう(当たり前だが)。
ただ、古今東西、発明のヒントが夢であったり、突然に天啓を受けたかのようなインスピレーションによっていることは多い。こういう人は、もともと感受性が豊かな人であり、常に情報のアンテナをピンッと張っているのだろう。ことさら、霊界を持ち出さなくてもよいと思うのだが・・
「夢からヒントを得た発明エピソード集」なども、いつか本にしたいと思う。交流システムを研究し、エジソンとも争ったニコラ・テスラ氏の場合、発明・発見には、インスピレーションが大きく寄与していたようだ。また、ベンゼン環構造を発見したオーガスト・ケクレ博士の場合には、それこそ夢の中のイメージが、彼の研究を大きく飛躍させたのだった。
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