発明を志そうとする人は、まず自分なりの「発明テーマ」を持っているべきだろう。それが自分の能力以上でも以下でもなく、「自分でも無理なくできそうだ」というものに標準をあわせるのがよい。
機械工学のことを知らない者が、いきなり複雑な機械装置を発明しようとするのは、不可能と言わないまでも、かなりの無理があるだろう。同時に、発明テーマは自分がもっとも得意とする分野のなかで見つけるのがよいといえる。
たとえ簡単な発明であっても、まったく触れたことのない世界に属する発明では、やはりそれなりの覚悟が必要になってくるのだ(試作品作成や特許書類作成の際にも)。
洋裁や料理などをまったくしたことがない者が、そうした分野の発明に着手することもあるだろうが、その場合も、専門家なり得意とする人の意見や助言を必要とするのは言うまでもない。なんにしても、自分が長年積んできたキャリアーを発明に利用したほうが、成功しやすいはずだ。
『発明テーマを見出す為の心得 五箇条』
幅広い興味を持っていること ⇒ 興味の対象は広いほうがよい
「なぜ」という疑問を常に感じること ⇒ 分からないことは分からないままにしておかない
日常の中の「不便」をやり過ごさない ⇒ どうすれば不便にならないか考えてみる
アイデアノートをつくる ⇒ ヒラメキやアイデア(思いつきも)は記録しておくと、成長しやすい
リラックスできる場を持っていること ⇒ 仕事に追われずに落ち着ける時間と場所を持つことが重要(よいテーマが閃く)
そして、見出した発明テーマが、これまでに商品化されたことがなく、しかも万人にとって有用となりうる場合、それは発明するだけの価値がある。
さらに、そのテーマが「身近な日常品」の中にあり、自分にとって「得意な分野」であるならば、それは「成功しやすい発明テーマ」だといえよう。
このように、発明で成功するか否かは、この「テーマ選び」に掛かっているのだ。よいテーマが見つかったら、あとはそれをとことん、情熱をもって研究することだ。情熱が注げない発明なら、やらないほうがよいだろう。