このタイプも、個人発明家にはよく見られる。ところで、アイデアの売り込みを専門に行う業者もいまでは多い。各業者とも、それぞれに特色があり、売り込みのノウハウもさまざまだ。だから、そうした専門のアイデア仲介業者に、大事な発明の売り込みを依頼するのもよいだろう。
しかし、売り込みを任せっきりにしていると、自分の発明に愛着がわきにくくなり、いつの間にか関心も薄らいでしまう傾向にある。企業の社外アイデア窓口の担当者にしても、発明者自らが書いた、熱意のこもった発明PR文のほうが、関心を呼ぶのではないだろうか。
自分で生み出した発明・アイデアなのだから、最後の売り込みの段階まで、関わりたいものだ。アイデア仲介業者に売り込みを依頼する場合も、自分でも積極的に、アピールするべきだろう。それに、企業にアイデアの提案をする場合、最低でも30社は選んだほうがよい。
あるいは、30社全てで不採用になっても、31社目で採用になることだってあるのだ。また、仲介業者に頼んだところで、1回の依頼で40社も、50社も売り込みを引き受けてくれるところは、なかなか無い。
だから、なるべく多くの企業に、誠意をもって売り込むためには、発明者自らも動くことが大事になってくる。仲介業者に頼んでも、企業に「発明家の情熱」まで伝えてくれるわけではないのだ。
もちろん、企業にとっては、「発明の情熱」ではなく「発明の内容」に関心があるのはいうまでもない。しかしながら、同じような発明の提案が、たまたま同時に別々の人からあった場合、一方は発明家の情熱が感じられ、他方はどことなく冷めているように感じられたとしたら、どちらを採用するだろうか・・・
なんにしても、売り込みは任せっきりにはしないことだ。アイデアにしろ、発明にしろ、情熱を注ぐほど、大きくなるのだ。