これまでの日本神話、もちろん大雑把な縦筋の紹介でしかありません。
大国主大神の国作りなどにも面白いエピソードはふんだんに盛り込まれていますし、八百万の神々それぞれに逸話があります。
本文のなかで話を最大に盛り上げてくれた建速須佐之男命ですが、本居宣長を始めとする研究者が多く表れ、最初は邪神であったが高天原追放の際、髭と爪を削ぎ落したことは禊にも通じ、その後の善行から守り神と崇め奉る神社が多く存在します。
その代表が京都の八坂神社。
日本に仏教が伝来すると神仏習合が行われ、建速須佐之男命は仏教における神的存在の牛頭天王と習合、荒ぶる魂が厄をも避けさせるということから、平安時代、祇園神社(現在の八坂神社)に祀られ、疫病が流行っていた爆発的な庶民信仰となりました。
今でも夏の大祭、厄除けの祇園祭といえば八坂神社が中心となっていますね。
それから出雲大社に鎮座した大国主大神。
本来は天津神から半ば強制的に国譲りをさせられましたが、今ではその多産性から縁結びの神様と崇められ、出雲神社は若い女性の格好のパワースポットとなっています。
過去はともかく、今は平和ならそれでいいじゃない、的なところがあって、これも国民性と考えれば、もう少し日本や隣国も穏やかになるような気がしますが。