天津神が収めることとなった葦原中国、最初に降り立ったのは天照大御神の孫となるニニギでした。
そのニニギの子供、日子穂穂手見命こと山幸彦(弟の方ですね)は伊耶那美命と伊耶那岐命が産んだ神様、海神である綿津見神の娘、豊玉姫命と結婚します。
そして産まれた子供が日子波限建鵜草葺不合命(ヒコナギサタケウガヤフキアエズ)で、初代天皇となる神武天皇の父親となります。
ここでようやく、神様が天皇になりました。
つまり人間ですね。
もちろん、それまでにも人間はいましたが、神々から人間が産まれたわけです。
なぜ不死である神々から寿命を持った人間が産まれたのかというと、その原因を作ったのがニニギ。
大山津見神はニニギと娘の木花咲耶姫が結婚すると聞いて大喜び、では姉妹の磐長姫命も嫁に貰ってくれと頼んだところ、ニニギは磐長姫命を醜いという理由で突っ返してしまいます。
これに怒ったのが大山津見神。
木花咲耶姫を差し出したのは天孫であるニニギの系統が花のように繁栄するとの願いから、磐長姫命を差し出したのは岩のように固く永遠のものとなる願いから、という理由。
磐長姫命を送り返したということは天孫の子孫に寿命が生まれること、と告げます。
このお告げ、見事に的中してニニギの孫である神武天皇から寿命ができてしまった、というお話。