須世理姫の父親、建速須佐之男命の言いつけ通り、出雲に戻って2度も自分を殺した八十神を追い払った後、かつての大穴牟遅神であり、葦原醜男命であった大国主大神の名に相応しい神様となりました。
そこで喜んだのが最初に結婚した八神売姫。
なにしろ死んだと思っていた夫が生きていた上に立派になって帰ってきたのですから。
しかも八神売姫、大穴牟遅神の子供を産んでいたのです。
しかし正妻に収まっていたのは、かの荒ぶる神様、建速須佐之男命の娘である須世理姫。
父親からブ男と軽蔑されているにも関わらず、何度も大国主大神の命を救うほど行動的な女神様ですから気性は父親譲りといっても過言ではありません。
八十神の求婚を断って大穴牟遅神と結婚するくらいでしょうから、八神売姫もけっしておとなしい気性ではないはずですが、やはり須世理姫にはかなわないと思ったのか、嫉妬を恐れ、自分の子供を木の俣に挟んで実家に戻ってしまいます。
ちょっとかわいそうな八神売姫。
モテモテのくせに女同士の戦い(まあ、戦ってはいませんが)には知らん顔する大国主大神にかなり腹が立ちます。
しかも大国主、モテぶりというか女好きに際限なく、須世理姫の姉妹である多紀理毘売命とも子供を設けているし、奴奈川姫とは結婚しちゃうし。
まあ、葦原中国を建速須佐之男命に代わって統治を行おうとする神様だけに、いっぱい、いろいろな神様を産まなきゃいけないので仕方ないんですけれどね。
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