八神売姫とめでたく結婚した大穴牟遅神ですが、これでは収まらないのが兄弟の八十神連中。
なんと大穴牟遅神を殺してしまうんですね。
悲しむ母親の刺国若比売(サシクニワカヒメ)は高天原の神様に頼んで一度は大穴牟遅神を蘇らせますが、再度、八十神は殺害を企てます。
嫉妬は西洋で七つの大罪の一つに数えられますが、それに勝るのが母親の愛。
刺国若比売はまたもや大穴牟遅神を生き返らせますが、これでは堂々巡りとなるのは必至、建速須佐之男命がいる根之堅洲国へ逃がします。
そして、ここで運命の出会い、建速須佐之男命の娘である須世理姫にひと目惚れしてしまいます。
八神売姫とはもう2回も死んじゃった後だし、しかも八神売姫と一緒にいれば何度殺されるか分からないし、しかも八神売姫の一方的な求婚だったのだから(この時点では大穴牟遅神、まだまだ気弱などこにでもいる八十神の1柱ですね)、須世理姫に一目惚れしてしまうのも無理のないことでしょう。
ひと目惚れされた須世理姫も悪い気分ではありません。
父親の建速須佐之男命に「立派な神様が来られました」なんて紹介してしまいます。
少しは大人になり、丸くもなって葦原中国を統治しようとしている建速須佐之男命ですが、ここではいきなり娘が恋人を連れてきたことに腹を立てる頑固親父になってしまいます。
しかもかつては高天原で狼藉三昧、八岐大蛇を退治した荒ぶる魂。
これ、婿としてはビビりますよねえ…。