大国主大神、日本書紀では建速須佐之男命の6世の孫(7世という説もあり)としていきなり登場しますが、古事記では建速須佐之男命の娘である須世理姫の婿として登場します。
で、どっちが面白いのかというと、古事記の方が面白いので、こっちを紹介しましょう。
大国主大神、最初は大穴牟遅神(オオムナヂ)というその他大勢、八十神の1柱でした。
サメ毛皮を剥がされた因幡の白兎を最初に見つけたのは大穴牟遅神の兄弟、八十神連中(名前はなく、大勢の神様という意味)で、稲葉の八神売姫(ヤガミヒメ)へ求婚に行く途中のこと。
この八十神、ロクな連中ではなく、毛皮を剥かれた兎に(まあ、兎も悪いんですけれどね)海の潮をつけて強い日光と風を浴びろ、なんて拷問のようなことを告げて立ち去ってしまいます。
当然、皮膚が裂けて身悶えする兎、そこへ通りかかったのが兄たち八十神の荷物を背負わされている大穴牟遅神。
水門で身体を清め、蒲(ガマ:多年草の抽水植物。花粉は生薬として使われる)の穂を敷き、その上に転がって花粉をつければ傷は癒えるだろう、と助言をします。
で、この白兎、ホントは八神売姫が八十神に遣わせた依代(神の使い)だったのではないか、というのが八十神に告げた一言。
「八神売姫はあんたら嘘つき連中とは結婚しませんよ。八神売姫はあんたらの最後に来る大穴牟遅神と結婚するんだから。へっへっへ」
若干、脚色が入っていますが、この白兎の言葉通り、八神売姫は八十神の求婚を断り、いじめられっ子的存在だった、でも親切で優しい大穴牟遅神と結婚します。
これがご存知、因幡の白兎ですが、これ、続編あります。
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