建速須佐之男命と八岐大蛇、壮絶な戦いを想像して期待していた人、ごめんなさい。
古事記や日本書紀には建速須佐之男命が全霊をかけて奇稲田姫を守りつつ戦いの果て、ついに八岐大蛇を撃退した、などという記述はありません。
さて、八岐大蛇を切り刻み、最後に尾を切ろうとすると、そこから剣が出てきます。
これが現在、三種の神器のひとつとなっている草薙剣。
自分の剣が刃こぼれするほど丈夫な剣だけに「こんな立派な剣を姉の天照大御神に献上すれば、俺のことも許してくれるよな」と考えたかはともかく、建速須佐之男命は草薙剣を高天原に献上、ここから建速須佐之男命は善行の神様として知られていきます。
まあ、嫁さんも貰ったし、悪さをした相手に貢物もしたし、出雲根之堅洲国なんて住むには絶好の場所も見つかったし、ひとつ、俺も大人になるか、なんてところでしょうか。
建速須佐之男命、ここで「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を」なんて日本最初の和歌を詠んでいます。
大人の余裕ですね。
建速須佐之男命と奇稲田姫は出雲根之堅洲国で神々をたくさん産みます。
日本中に樹木を育てる役割を担った大屋津姫命(オオヤツヒメ)や抓津姫命(ツマツヒメ)も2柱から産まれています。
そして最後に産まれたのが、後の大国主大神(オオクニヌシノミコト)の妻となる須世理姫(スセリヒメ)です。